クリエーターコメント:P4Uディレクター
アークシステムワークス井口屋氏

Category : クリエーターコメント

皆様こんにちは。ペルソナ広報です。
いよいよ、P4U発売まであと1日となりました!

さて、本日のクリエーターコメント第6段は、
なんとスペシャルゲスト!アークシステムワークスの井口屋ディレクターより
皆様へコメントを預かってまいりました。

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ペルソナファン、アトラスファンの皆様!
はじめまして、アークシステムワークス側ディレクター、井口屋タクミと申します。

今回、「ペルソナ4 ジ・アルティメット イン マヨナカアリーナ(以下、P4U)」でペルソナチームさんとスペシャルなコラボレーションをさせて頂きまして、発売直前という事で、こちらの広報ブログの方にもお邪魔させていただきました!和田ディレクターとはまた一味違った視点で、P4Uや開発にまつわる小噺を出来ればと思います。


【コラボの話が来た時に】
 このコラボ企画の話が来た時の反応......

 『ペルソナ?好きですけど......「3」も「4」も発売日に買いましたし......え?コラボ?マジですか?格ゲーにするんですか?え、本当に?』(社内某チーフデザイナー)
  『本当ですか!?私、主人公のドットやります。別の仕事抱えてますけど、ドット渡してくれたら土日に修正しますよっ!』(社内某ドッター)
 『イザナギになかなかこのスキル継承できないんですよねぇ。何回もやり直してるんですけど。』(社内某プランナー)

 ......最初にお話を聞いた時は、「キャラクターを使ったちょっとした企画なのかな」と思いきや、ペルソナチームさんと初顔合わせで橋野さん、和田さんの熱意と本気に「これはこちらも本気で行かねば」と決意。社内の格闘ゲームチームのメンバーにリサーチすると、ペルソナファンのなんと多い事か。幸運と言うべきか、いや、これはもう運命と言うべきだったのかもしれません!ペルソナチームさんの「格闘ゲーム部分は好きにやっちゃってください!」というある意味デンジャラス過ぎる指示に、弊社のスタッフも若干?暴走気味に、時にたしなめられながらも、たぎるペルソナ愛をこの作品に全力でこめさせていただきました!

 ペルソナチームさんの作品を生み出された愛情、僕らの作品に対して敬う愛情。
 両者の愛情がたっぷり詰まった異色コラボの正統続編!
 ぜひお楽しみ頂きたいと思います!

【そもそも「格闘ゲーム」ってオモシロイの?】
 僕の所属する「アークシステムワークス」と言う会社は、主に「格闘ゲーム」を作っております。
 皆さんご存知の「ペルソナ」シリーズは、一般的には「RPG」というジャンルに分類される事が多いと思いますので、「格闘ゲーム」には「なんか難しそう......」「勝ち負けがはっきりして怖そう......」というイメージをお持ちの方も多いかと思いますが......それではあまりにもモッタイないので、ここで言わせて貰いたい!

 『「格闘ゲーム」は「キャラクターと最も一体になれるゲームジャンル」』

 個人的な持論なのですが、格闘ゲームは数あるゲームジャンルの中でも最もキャラクターと一体感を得られるジャンルだ!と思ってゲームを作成しておりまして。
 画面のキャラクターは、スティックを入れた方向へと、縦横無尽に駆け巡り、豪華にも複数のボタンに割り振られた攻撃は、押した瞬間、多彩な技となり相手へ叩きこまれます。そして、1キャラクターにつき数十種類も用意されている動きのパターンは、全てスティックとボタンで直感的に出し分ける事が出来ます。

 このレスポンスの速さと、バリエーションの多さこそが『格闘ゲームのオモシロさ』であり、「キャラクターが自分の手足の延長に感じる」とすら錯覚しうる、他にはない一体感と爽快感を生み出している部分なのだと考えています。今回、「ペルソナ」はそんな一体感を味わうには正にうってつけの、魅力あふれる素晴らしいキャラクター達がそろっています。RPGファンの方も、自分の思い入れたっぷりのキャラクター達を、自由に操作する喜びを、少しでも感じて頂けたら嬉しいです。格闘ゲームは勝敗だけではありません。魅力的な彼らと、「コントローラーを通して一体になる感覚」。この夏、皆さんもキャラクター達と共に、アツい闘いを感じてみませんか


【連打コンボと逆ギレアクション】
 P4Uには「連打コンボ」と「逆ギレアクション」という、特徴的なシステムがあります。

 「連打コンボ」は「弱攻撃」ボタンを相手にヒットさせたとき、そのまま「弱攻撃」ボタンを連打していくだけでコンボが次々に繋がっていくシステムです。SPゲージが一定以上ならそのまま「SPスキル」まで自動的に繋がり、格闘ゲームが苦手な人でも簡単にド派手なコンボを決める事が出来ます。

 「逆ギレアクション」は「強攻撃」と「強ペルソナ」を同時に押すことで、相手の攻撃が通用しなくなる「無敵状態」がある強力なスキルを使うことが出来ます。相手に絶え間なく攻撃され、防戦一方の時は、この「逆ギレアクション」で反撃しましょう。体力がちょっと減ってしまうので使いすぎには注意です!

 この特徴的な二つのシステムは、複雑と言われがちなコンボ系格闘ゲームの敷居を下げて、純粋なペルソナファン・RPGファンにも遊びやすいように、なにより「対戦」を少しでも楽しめるように、と組み込んでみました。
 初心者向けのモードを選んでもらう案もあったのですが、モードを分けてしまうとあまり使ってもらえないんですよね。「どうせやるならみんなと同じシステムで」「使うのが恥ずかしい」なんて意見は耳にします。そこで今回は、上手い人も初めての人も、みんなが同じ土俵で戦えるようにしよう、というのをシステム開発の最初のテーマとして設定しました。

 みんなと同じ操作で、気軽にバトルを楽しめ、そのまま遊んでいるうちに上手くなれる、そして格闘ゲームをより楽しめる、そんなキッカケになって貰えればと思います。


【ボコスカアタックと原作再現】
 製作の早い段階から、原作を再現したシステムを積極的に採用したい、という流れがありました。「ボコスカアタック」はその中でも最も早く採用の決まったシステムです。やっぱりペルソナ3&4の戦闘では特に印象に残る派手な演出ですから「この演出は絶対入れたい!」という思いは強かったですね。
 そこで具体的な仕様の提案を募ったのですが。なんと、リードプログラマーが提案と同時に、今回の完成版に近い形の物を既にプログラムで組み込んでいたという手際の良さでアピール。見た目のオモシロさと仕様としてのバランスから即採用となりました。
 中段攻撃という、ちょっと特徴のある攻撃から派手でコミカルな原作の雰囲気を上手く再現できたかな?と思います。ペルソナチームさんの受けも良かったので嬉しかったですね。
 原作再現は、各キャラクターの動きやモーションにも取り入れられている箇所は多いです。特に原作でのクリティカルヒットや追撃等からは、逆ギレアクションや連打コンボに採用したモーションも多く、原作ファンなら「お!」と思っていただけるのではないでしょうか?
 逆にキャラクターが呼び出す「ペルソナ」の動きは、原作のモーションだけだと格闘ゲームにするには少ない面もあり、かなり楽しんで遊ばせてもらいました。
 コノハナサクヤは可憐に舞うように、ジライヤやキントキドウジなどはコミカルに。原作ではあまり見る事が出来なかったかもしれない、生き生きとしたペルソナたちを楽しんでもらえればと思います。


【レッスンとチャレンジ】
 格闘ゲームが初めて、という人も多いと思われる本作。まずは「レッスンモード」で操作を覚える事をおススメします。
 「歩き」や「ジャンプ」から始まり、基本的な「攻撃」や、相手の攻撃に対しての「ガード」。「ダッシュ」や「受け身」などのバトルの基礎的な事を順番に練習する事が出来ます。判らなかったり、出来なかった場合も「レッスンセレクト」で好きなレッスンから選んで始められますので、スキップして後回しにしまう事も可能です。後半の方は「応用編」となり、中級者以上の人にもP4Uのシステムを一通りおさらいする上で、プレイしてもらえればと思います。ゲームをプレイしていて分からないシステムがあった時に読み返すのも良いかもしれませんね。

 「レッスンモード」で全体のシステムに関して学んだら、次は「チャレンジモード」で各キャラクターごとの必殺技を覚えてみましょう。前半の課題はシンプルな必殺技の練習ですが、後半のコンボ課題は文字通りチャレンジするモード。生半可な実力だと難しいかもしれませんね。腕を上げてチャレンジしてみてくださいね!

 この「チャレンジモード」の問題。当然、発売日よりも随分前に考える事になります。どうせプレイして貰うなら実戦的な課題を......とプランナー陣が意気込んで考えるのですが、なかなかどうして、発売日頃には、より実戦的なコンボをアーケード版ユーザーの皆様が考え出してしまうんですよね。ゲームの奥の深さを示してるとも言えますが、開発者としてはちょっとだけ悔しかったり......いやいやいや、プレイヤーの皆様のやり込みと愛情には頭が下がります!



【ネットワークモード】
 昨今の対戦格闘ゲームの御多分に漏れず、本作でもネットワークモードが搭載されています。初めて触れる方も多いかと思いますので、少しばかりご紹介しましょう。

 「ランクマッチ」は、勝ち負けが「ランキング」に反映される、真剣勝負の場です。ゲームセンターに近い感覚ですが、対戦を重ねると「PSR」というレーティング数値によってプレイヤーの強さが分類されます。これにより実力の近いプレイヤーと対戦を行う事が可能になりますので、より好勝負が望めるようになっています。
 今回は「段位」というシステムが入っています。近い段位同士の相手と対戦し勝ち続けると上がり、負け続けると下がってしまうこの「段位」、専用のランキングも存在しますので、ここ一番に強いプレイヤーは「段位」での上位も狙ってみてくださいね。

 「プレイヤーマッチ」は、カジュアルに対戦をしたい人向けのモードです。友達を招待したり、初心者同士で練習したりと、気楽に楽しみたい方はこちらをどうぞ。今回から「ルーム名」以外に、「スタイル」というアイコンを4つまで組み合わせて、そこがどんなルームかを主張出来るようにしてみました。これといった使い方は決まってないので、ユーザーの皆様に好きに使ってもらえれば良いかなと思います。

 そして、どちらのモードにも「トレーニングモード待受け」を搭載しておりますので、誰かが来るまでや、マッチングまでの待ち時間の練習に活用してくださいね!

 

【人気の称号】
 先日のクリエイターコメントで和田ディレクターが触れていた、称号システムの話です。1プレイごとにお金がかかるアーケード版では、ポイントによって好きな称号と交換する事が出来ます。
 そのアーケード版のどの称号が買われているかのランキングを入手しましたので上位30位までを公開してみようと思います。

ranking.jpg

 栄えある1位は「の」!......「に」「で」などの接続詞は汎用性から考えると仕方ないですね。
2位はペルソナ3を未プレイの人でもキャラが判る名語尾の「であります」であります!「アイギス」も堂々のベスト10入りの9位。キャラ・固有名詞の中では1位です。貫禄すら感じさせる人気の「マーラ」様を抑えてはさすがです。そして3位は「ペロペロ」!......皆さんの溢れる愛を感じざるを得ません!

「※ただし」が5位と多いのがちょっと意外でした。17位の「に限る」とセット使用が多そうですね。セット使用と言えば29位の「ジュネス」。ランク外ですが「エブリデイ」が32位、「ヤングライフ」が35位と、近い順位の中で、他にも使い道の多い「ジュネス」が頭一つ抜き出た形ですね。

意外なのが24位になんと「カエサル」さんです!主を抑えてベスト30入りです。
苗字と名前が票が分かれてしまう日本語のキャラクター名は若干不利だったかもしれないですね。千枝ちゃんの「どーん!」や「ガチムチ」「メギドラオン」など、キャラ名よりもキャラを表す記号的な単語の方が人気だったり、「ぶっぱ」「勢」など格闘ゲームならではの単語などもランクインしてますね。
 
 みなさんも手に入れた称号の面白い組み合わせでアピールしてみてくださいね。

 ちなみに、家庭用では海外プレイヤーの称号も対応する日本語に翻訳されて表示されます。文法の垣根を越えて、意訳で伝わるのか、まったく分けが分からない物になるのか、全世界で同じゲームを遊ぶという異文化コミュニケーションの妙を楽しんでもらえればと思います。

 

【一番議論した技】
 キャラをお借りして作品を作らせて頂くというのは、責任を噛みしめながら慎重に行うのですが、今回の作品で、キャラクターに色々な技を考えさせて頂くにあたって、社内で意見が最も分かれた技というのは、実は完二の「耐えてみやがれ!」でした。

 完二が相手に飛びついて馬乗りになり、相手をボコボコと殴るこの技。
 ネタが出た時点でグラフィックチーフから「完二が女性、ましてや女子高生相手に馬乗りになって殴るのは如何なものか」という意見が出まして、仕様的には、どうしてもこの技を入れたいプランナーと、「じゃあ平手打ちなら良いのか」「このスタイルが投げキャラとしてのカッコよさなんだ」「あまり体重を乗せないパンチなら酷過ぎないのでは?」......と、この技ひとつで4時間以上は議論したのを覚えています。
 最終的に出来るだけエグさを感じさせないような形でコンテを起こし、ペルソナチームさんに相談半分で提出しました。結果としてOKを頂き、今の形に落ち着いた訳ですね。一つの技を取り上げても、色々と紆余曲折があったのです。

 

それでは、ありがとうございました!

 

 

アークシステムワークス
プログラマー&ディレクター
井口屋タクミ(Takumi Iguchiya)

Twitter:http://twitter.com/t_iguchiya/


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